拡張機能の権限は、「その拡張が何に触れられるか」の申告です。Chrome ウェブストアのページ、追加するときの確認画面、chrome://extensions の「詳細」で見られます。確かめたいのは、①権限の理由が機能と結びついているか、②外に何を送るかがプライバシーポリシーに書いてあるか、の2つです。LB TAB Layers は12の権限と「すべてのサイト」へのアクセスを使っています。理由はこの記事でひとつずつ説明します。
拡張機能を入れるとき、「〜の読み取りと変更」という確認が出てきます。なんとなく「追加」を押している人も多いと思います。
タブ管理の拡張は、開いているタブやブックマークを扱うので、どうしても権限は多めになります。この記事では、権限をどこで見て、何を確かめればよいかを説明します。そのうえで、私たちの LB TAB Layers が使っている権限を、理由と一緒にすべて書きます。
危ない拡張の見分け方の全体像は「Chrome拡張機能の安全性」にまとめています。この記事は、その中の「権限」を深く見る回です。
1. 権限は「何に触れるか」の申告
Chrome の拡張機能は、使いたい機能を先に申告しておく決まりになっています。たとえば、ブックマークを読み書きしたい拡張は「ブックマーク」の権限を、開いているタブの情報を使いたい拡張は「タブ」の権限を申告します。申告していないものには、触れられません。
なかでも大きいのが、サイトへのアクセスです。「すべてのサイト」へのアクセスを持つ拡張は、見ているページの中身を読んだり、ページに表示を足したりできます。追加するときに「すべてのウェブサイト上にある自分のデータの読み取りと変更」のような確認が出るのは、このためです。
権限が多いこと自体が悪いわけではありません。大事なのは、その権限が、その拡張の機能のために本当に要るのかです。
2. 権限を見る3つの場所
Chrome ウェブストアのページ
拡張のページの下のほうに、プライバシーへの取り組みの欄があります。どんなデータを扱うか、開発元が申告した内容と、プライバシーポリシーへのリンクが載っています。
追加するときの確認画面
「Chrome に追加」を押すと、主な権限の一覧が出ます。ここで気になるものがあれば、いったん「キャンセル」して調べてからでも遅くありません。
入れたあとは chrome://extensions の「詳細」
アドレスバーに chrome://extensions と入れて、拡張の「詳細」を押します。権限の一覧と、「サイトへのアクセス」の設定が見られます。
なお、拡張の更新で新しい権限が増えたときは、Chrome が確認を求め、許可するまで拡張を止めることがあります。突然拡張が止まったら、まず chrome://extensions を開いてみてください。
3. 確かめたいこと
- 理由が機能と結びついているか — 「ブックマークに保存する拡張だから、ブックマークの権限」のように説明がつくか。説明のつかない権限があれば、開発元に理由を聞いてもよいくらいです
- 外に何を送るかが書いてあるか — プライバシーポリシーに、送り先と送るものが具体的に書いてあるか。「収集しません」だけで、送り先が一つも書いていないものは、かえって確かめようがありません
- データがどこに残るか — 拡張の中だけに保存するのか、Chrome のブックマークのような外の場所に保存するのか。拡張を消したときに何が残るかが変わります(→「拡張機能を削除したらデータはどうなる?」)
4. LB TAB Layers が使う権限と、その理由
ここからは、私たちの拡張の話です。配信中の v2.8.72 が申告している権限と、コードの中で実際に何に使っているかを並べました。
| 権限 | 使っている機能 |
|---|---|
| tabs(タブ) | 開いているタブの名前とURLを一覧に出す。▶ でまとめて開く、■ でまとめて閉じる |
| tabGroups(タブグループ) | Chrome のタブグループの状態(名前・色)を読んで、表示に使う |
| bookmarks(ブックマーク) | グループとタブを Chrome のブックマークとして保存する。「整理」の重複やリンク切れのチェックでは、操作したときにブックマーク全体を読む |
| storage(保存) | 設定・グループの並び・メモ・サムネイルなどを、ブラウザの中に保存する |
| sidePanel(サイドパネル) | Chrome のサイドパネルに表示する |
| history(履歴) | 「本日の履歴」(PRO版・トライアル中)。今日の0時以降に見たページだけを読んで、一覧に出す |
| alarms(タイマー) | ライセンスの確認(1日1回)、ブックマークとの同期の確認(5分ごと)、フォーカスタイマーの終わりの時刻 |
| declarativeNetRequest | フォーカスタイマーの間、自分でブロック対象にしたサイトを開けなくする |
| identity(Googleアカウント) | スプレッドシート連携を使うときだけ。Google の確認画面で許可すると、自分のスプレッドシートに書き出し・読み込みができる |
| downloads(ダウンロード) | スクリーンショットと録画をファイルに保存する。保存のたびに、保存先を選ぶ画面が出る |
| contextMenus(右クリックメニュー) | ページの右クリックに「TAB Layers に保存」を出し、選んだグループに保存する |
| scripting | ページ全体のスクリーンショット(下までスクロールして撮る)と、自動スクロールでの録画。操作したときだけ、そのページに補助の処理を入れる |
| すべてのサイトへのアクセス | 次の章で説明します |
スプレッドシート連携の許可は、Google の画面では「スプレッドシートの表示・編集」のように出ます。許可の範囲としてはアカウントのスプレッドシート全体になりますが、拡張が使うのは、自分で作った(または指定した)1つのシートだけです。連携しなければ、この権限は使われません。
5. 「すべてのサイト」へのアクセスを正直に
いちばん気になるのは、この権限だと思います。LB TAB Layers は、http と https のすべてのページに、小さな処理(content script)を入れています。その処理がしていることは、次の4つです。
- オーバーレイ表示(PRO版・トライアル中)— ページの上に重ねてサイドバーを出す。起動時のチラ見せもこれを使う
- RSSフィードの検出 — ページの中にRSSの案内(link 要素)があるかを見て、あればパネルに知らせる
- AIサイドバーへの添付 — AIサイドバーで「ページを添付」を選んだときだけ、本文や選んだ文章を読む
- 保存の結果の表示 — 右クリックで保存したとき、ページの上に「保存しました」を出す
このほか、スクリーンショットとサムネイル(160×100の小さな画像)の撮影、操作したときのリンク切れチェック、登録したRSSの取得にも、サイトへのアクセスを使います。
ページの中身を、当社のサーバーに送ることはありません。外に送るものは、次の章にすべて書きます。
6. 外に送るもの(すべて)
| 送り先 | 送るもの | いつ |
|---|---|---|
| 当社(liquid-block.com) | インストールID(ランダムに作られた番号) | ライセンスの確認のとき |
| Google(検索の候補) | 検索欄に入れた文字 | 検索欄に入力したとき(候補を出すため) |
| 選んだAI(Gemini など) | 質問・添付したページの本文、またはAI検索での保存タブの名前とURL | AIを使ったときだけ。Chrome内蔵AIを選べばPCの中で処理され、外には出ない |
| 自分のGoogleスプレッドシート | 保存したタブの一覧 | 連携したときだけ |
| Open-Meteo(天気) | パソコンのタイムゾーンから推定した、都市くらいの大まかな地点 | ピンバーの時計に天気を出すとき |
詳しくはプライバシーポリシーに書いています。検索欄の文字が Google に送られる点は、知らずに使っている人もいると思うので、ここで改めてお伝えします。
保存したグループとタブは、Chrome のブックマークです。Chrome のブックマーク同期をオンにしている場合は、Chrome 本体の機能として Google のサービスで同期されます。
7. サイトへのアクセスを絞りたいとき
chrome://extensions で LB TAB Layers の「詳細」を開き、「サイトへのアクセス」を「クリックされた場合のみ」や「特定のサイトで」に変えられます。
絞った場合も、サイドパネルでのタブの保存・▶ で開く・■ で閉じる・検索といった基本の操作は使えます。ただ、許可していないサイトでは、オーバーレイ表示、スクリーンショット、RSSの検出、AIサイドバーへのページの添付などが動かなくなります。使い方に合わせて選んでください。
権限は、拡張を選ぶときの大事な手がかりです。気になる権限があれば、遠慮なく開発元に聞いてください。私たちへの質問は info@liquid-block.com で受け付けています。
よくある質問
Q. LB TAB Layers は、見ているページの内容を集めていますか?
集めていません。すべてのページに入れている処理は、オーバーレイ表示・RSSの検出・保存の結果の表示と、AIサイドバーで添付を選んだときの本文の読み取りだけです。ページの中身を当社のサーバーに送ることはありません。
Q. 「閲覧履歴」の権限は何に使っていますか?
「本日の履歴」(PRO版・トライアル中)で、今日の0時以降に見たページを一覧に出すために使っています。履歴を外に送ることはありません。
Q. サイトへのアクセスを「クリックされた場合のみ」にしても使えますか?
タブの保存・▶ で開く・■ で閉じる・検索といった基本の操作は使えます。許可していないサイトでは、オーバーレイ表示やスクリーンショット、RSSの検出などが動かなくなります。
Q. 拡張の更新で権限が増えたら、どうなりますか?
新しい確認が必要な権限が増えた場合、Chrome が確認を求め、許可するまで拡張を止めることがあります。chrome://extensions で内容を見てから許可してください。
▶ 実際の操作を動画で見る
サイドバーで、ブックマークとタブをいっしょに管理する様子です。